夢見師覚書

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 このゲームの特徴は、ストーリーの過程が直列的であるということだ。本来、主人公=プレイヤーとして、共通ルートから選択されたヒロインと恋愛をしていくという流れではひとつのストーリーの中(個別ルートとみていい)で、ひとつの恋愛をするという形になるのだが、夢見師では、忘却という鍵によって、主人公とプレイヤーの心理が一致しない状態が生まれている。全てのヒロインとの恋愛を直列的に描いて、真実の愛というものを見つけていくのである。この流れの鍵を握るのが、夢見の能力であるが、これは翌日の出来事を夢という形で完全に予知することができる。しかし、予知した事象に干渉して、その結果を変えることはその事象に関する記憶を失うという結果を招く。恋愛劇の中で、その能力を使って、ヒロインを救うことを決断した主人公が記憶を失って、本人は自覚しないまま新しい恋が繰り広げられていくのだ。正直なところ、過去を忘れて新しい恋を謳歌している主人公には戸惑うのだが、主人公に忘れられても健気に思い続けるヒロイン達のひたむきな思いに切なくもあり、魅せられてしまう。そして、どのヒロインとも真剣に付き合った主人公を通して、並列的ゲームでは前面に出されない恋愛の側面を演出している。

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