ツァラトゥストラへの階段は、電撃文庫から出ている土橋真二郎のライトノベル。主人公、福原はとある事情から毎回囚人ゲームと呼ばれるゲームに参加している。この作品の見所はこの囚人ゲーム参加者のゲームを通しての心理変化の描写である。大抵、ゲーム参加者は、心理的に追い詰められ醜い本性をあらわにしていく。(本性ではないかもしれないが、醜さを現したゲームプレイヤーはそのままフェードアウトするのでその後は不明であることから、これ以後性質が変化しても分かりようがないという点でやはり、本性とする)
ツァラトゥストラへの階段では、主人公である福原くんが比較的まともだし、主体的な目的があり、感情移入しやすいし、彼を取り巻くヒロイン達も今の段階では良好な性質を示しているので、キャラクター依存型のライトノベルとしても、土橋氏の前作「扉の外」よりは好みだ。「扉の外」も良かったのだが、キャラクターに感情移入したい気持ちを察してくだされ。
さて、この囚人ゲームの参加者には特長がある。それはパルスと呼ばれる特殊な能力をもっていることだ。パルスは、保持者の身体的能力(体・頭など)を高めたり、超常的な現象を引き起こす。個人的には、電気的な信号の類だと解釈することにしている。その信号は、肉体と空間(空気など)の境界を無視して、双方にアクセスできるものだと。ゲームという世界では確かに、キャラクターも空間もデータの集まりであり、その境界はないのだから、ファンタジーRPGだなんだと現実とは違うことを強調しなくても、仮想の、データの空間だという設定なら事実として成立するんだなとか、どうでもいいかwww
このイラストの白身魚氏に興味を持った。キャラクターへの愛情が芽生え始めたのだろうか。随分前に誰なんだと、あったようでenfance(どちび氏)のサイトに行きついた。そんな気もする。
ツァラトゥストラへの階段 (電撃文庫 と 8-4)
土橋 真二郎
by G-Tools
コメントする